企業YouTube成功事例5選|業種別の成果と共通点

「YouTubeに取り組んだ企業は、実際にどんな成果を出しているのか」「成果が出るまでに、どれくらいの期間がかかったのか」。企業YouTubeを検討しているご担当者から、成功事例についてのご質問をよくいただきます。
企業YouTubeの成果は、業種や目的、チャンネルの状況によって大きく変わります。新規でチャンネルを立ち上げる企業もあれば、伸び悩んだチャンネルを立て直す企業もあり、「成功」の形も一つではありません。
本記事では、YouTube運用代行として5年間、業種の異なる10以上の企業チャンネルを支援してきた株式会社NB2が、実際の支援の中から5つの成功事例を業種別にご紹介します。各社がどんな課題を抱え、何に取り組み、どれくらいの期間でどんな成果につながったのか。そして、成果が出た企業に共通する特徴まで、執筆者の石橋が現場で感じてきたことをお伝えします。
この記事でわかること
- 医療・美容・健康など、業種別の企業YouTube成功事例5選
- 各事例の課題、取り組み、成果と、成果が出るまでの期間
- 成果が出た企業に共通する5つの特徴
- BtoB企業や採用動画としてのYouTube活用についての考え方
企業YouTubeの成功事例を見る前に知っておきたいこと
「成功」の基準は目的によって変わる
企業YouTubeの成功事例を見るときに、まず押さえておきたいのは、目的によって「成功」の基準が変わるということです。
新規の予約や問い合わせを増やしたいのか、LINE登録や資料請求などのリストを集めたいのか、売上を伸ばしたいのか、ブランディングや採用につなげたいのか。目的が違えば、追いかけるべき数字も変わります。再生数や登録者数は、成果を測る指標の一つにすぎません。今回ご紹介する5つの事例も、それぞれ目指したゴールと、成果として見ている数字が異なります。
また、成果が出るまでの時期も分けて考える必要があります。私たちの支援経験では、再生数は立ち上げから3ヶ月以内に伸び始めることが多い一方、問い合わせや予約といった事業の成果として手応えを感じられるまでには、数ヶ月から1年程度は見ておく必要があります。
5つの成功事例の概要
本記事でご紹介する事例は、次の5つです。
- 事例1(医療)クリニック:新規立ち上げから1年で登録者3万人、YouTube経由の新規予約が月平均60件
- 事例2(美容)制作会社からの乗り換え:週2本の投稿で、1本あたりの平均再生数が約10〜50倍に
- 事例3(美容)1店舗の企業:放置されていたチャンネルを作り直し、集客の半分以上をYouTubeが担う仕組みに
- 事例4(健康)健康サポート・支援系の企業:YouTubeを含むマーケティング全体で、年商3,000万円から10億円へ
- 事例5(美容)内製から外注へ:リスト獲得0件から、月最大4,000件へ
いずれも、NB2が支援してきた10以上の企業チャンネルの中の一例です。同じ成果をお約束するものではありませんが、成果が出るまでの流れや取り組みの考え方は、多くの企業にとって参考になるはずです。
医療|クリニック:開設1年で登録者3万人、YouTube経由の新規予約が月平均60件
取り組み前の状況と目的
ご支援を始めた時点で、このクリニックにはYouTubeチャンネルがなく、登録者0人・再生数0回からの新規立ち上げでした。目的は、集客、問い合わせ(予約)の獲得、ブランディングの3つです。
取り組んだこと
出演は院長お一人です。毎日投稿を基本とし、院長による解説動画、院内の紹介動画、症例解説動画の3種類を軸に発信しました。解説動画で院長の専門性と人柄を、院内紹介で来院前の安心感を伝える構成です。
成果が出るまでの流れ
チャンネル開設から1年で、登録者数は3万人、年間の再生数は844万回になりました。YouTube経由の新規予約は月平均60件で、現在も月ごとに増加が続いています。
成果が出るまでの流れを、時期ごとに振り返ると次のとおりです。
- 公開から2週間ほど:再生数が伸び始める
- 開始から1ヶ月ほど:動画をきっかけに、クリニックの問い合わせページへ人が流れ始める
- 開始から3ヶ月以内:YouTubeをきっかけにした来院が始まり、院長にも手応えを実感していただけるようになる
- 開始から半年〜1年:集客数がしっかりと増えていく
再生数の伸びは比較的早く見え始めましたが、集客数が本格的に増えたのは半年から1年が経った頃です。立ち上げ初期に予約が入り始めても、事業の成果として積み上がるまでには時間がかかることがわかります。
チャンネルを立ち上げるまでの具体的な手順は、「企業YouTubeの始め方|法人チャンネル開設から初投稿までの手順」で解説しています。
美容|制作会社から乗り換え:週2本の投稿で、1本あたりの平均再生数が約10〜50倍に
乗り換え前の課題
美容系のこの企業は、以前、撮影・編集などの制作のみを請け負う会社にYouTubeを依頼していました。しかし数値がまったく伸びず、動画1本あたりの平均再生数は100回前後にとどまっていました。
私たちが考えた一番の問題は、YouTubeの仕組みやアルゴリズムを理解していない状態で運用されていたことです。
特に効いたのは、代表と専門家の対談コンテンツ
NB2の支援では、週2本の投稿を続けながら、ターゲット層をしっかり狙った企画、YouTubeのアルゴリズムを理解したうえでの戦略、視聴者からの評価やファン化を進めるための施策など、複数の施策を組み合わせました。
その中でも特に効果が大きかったのが、代表と専門家による対談コンテンツです。代表一人が話す動画に加えて、専門家との対談で異なる視点や知見を掛け合わせることで、視聴者にとって見応えのある内容になり、チャンネル全体の評価を高めることにつながったと私たちは考えています。
支援後の変化
支援開始から半年ほどで数値が改善し、現在は動画1本あたりの平均再生数が1,000〜5,000回の間で推移しています。改善前と比べて、およそ10〜50倍です。
この企業は、リソースの都合上、週2本の投稿が限界という状況でした。投稿本数を増やすことも効果的な方法の一つですが、今回はそれが難しかったため、限られた本数の中で企画と戦略を工夫することに力を注ぎました。毎日投稿ができなくても、1本1本の中身を見直すことで数値は伸ばせる。そのことを示す事例です。
依頼先によって業務範囲や費用がどう違うかは、「YouTube運用代行の費用相場|料金体系・プラン別の目安と内訳」で解説しています。
美容|1店舗の企業:放置されていたチャンネルを作り直し、集客の半分以上をYouTubeから
支援前の状況:6本で止まっていたチャンネル
この美容系の企業は、過去に一度YouTubeに取り組んでいました。しかし、6本ほど投稿したところで更新が止まり、チャンネルはそのまま放置されていました。最初の数本で更新が止まってしまうのは、企業YouTubeの立ち上げでよくある失敗の一つです。
代表が出演する新チャンネルで、集客の導線をつくる
NB2の支援では、既存のチャンネルを使い続けるのではなく、新しくチャンネルを作り直してスタートしました。出演は代表です。
支援期間は3年にわたります。この間、さまざまなサイトからYouTubeに流れてくる視聴者に加えて、YouTube単体でも新たな視聴者を獲得し、動画を通して興味を深めてもらい、信頼を積み上げたうえで予約へとつなげる流れをつくってきました。
成果
現在、この企業は1店舗の営業で、年商約6億円、利益は1〜2億円ほどです。集客の半分以上がYouTubeから生まれる仕組みになっています。店舗数が少なくても、YouTubeで信頼を積み上げることで、会社が大きく伸びるケースがあることを示す事例です。
動画を通して信頼が積み上がると、価格だけで比較されにくくなります。この考え方は、「YouTubeマーケティングとは?メリット・デメリットと成果の出し方」で詳しく解説しています。
健康|健康サポート・支援系の企業:YouTubeを含むマーケティング全体で、年商3,000万円から10億円へ
取り組みの概要
健康サポート・支援系のサービスを提供しているこの企業は、YouTubeを含むマーケティング全体に力を入れてきました。NB2は、そのうちYouTubeの運用を約5年にわたって支援させていただいています。出演は代表です。
成果
YouTubeを含むマーケティング全体の取り組みの結果、会社の年商は3,000万円から10億円まで伸びました。この成果はYouTubeだけによるものではありませんが、YouTubeはその一翼を担ってきました。
5年という長い期間にわたって、代表ご自身が出演を続けてこられたことも、この事例の大きな特徴です。YouTubeを単発の施策ではなく、会社のマーケティングの柱の一つとして続けてきたことが、会社全体の伸びにつながっていると私たちは考えています。
美容|内製から外注へ:リスト獲得0件から、月最大4,000件へ
内製のときの課題
美容系のこの企業は、もともと社内でYouTubeを運用していました。課題は、チャンネルが思うように伸びないことと、ある程度の数値は取れていたものの、それを売上やリストの獲得にどう結びつければよいかがわからないことの2つでした。
取り組んだこと
私たちが最も意識したのは、企画の変え方です。多くの人に見てもらうための企画と、視聴者に必要な知識を届けて理解を深めてもらう企画、商品への興味を持ってもらう企画を組み合わせ、視聴者の興味が自然に商品へ流れていく導線を設計しました。あわせて、商品につながる検索ワードからの流入を増やすためのSEO強化や、動画内・概要欄での誘導の見直しも行いました。
成果
支援を進める中で、チャンネルの数値は改善・上昇し、集客や顧客の獲得にもつながりました。特にリストの獲得は、支援前の0件から、支援開始から半年〜1年ほどで、最大で月4,000件を獲得するまでになりました。
再生数を伸ばすことと、事業の成果につなげることには、それぞれ別の設計が必要です。内製と外注の判断基準については、「YouTube運用は内製と外注どちらがいい?判断基準と併用パターン」で解説しています。
5つの成功事例に共通する、成果が出た企業の5つの特徴
ここまで、業種も目的も異なる5つの事例をご紹介しました。私たちがこれまで支援してきた企業を振り返ると、成果が出た企業には、テクニック以前の共通点があります。
① 根気強く続けられる
5つの事例を見ても、クリニックは毎日投稿を1年以上、1店舗の企業は3年、健康系の企業は約5年と、長い期間にわたって発信を続けています。YouTubeは、続けることで初めて資産として積み上がっていく媒体です。
② すぐに成果が出ないことを理解している
クリニックの事例のように、再生数が早くから伸び始めても、集客数がしっかり増えるまでには半年から1年かかることがあります。最初からこのことを理解している企業は、数字が伸びない時期にも焦らず、改善を続けることができます。
③ 代行会社と信頼関係を築き、二人三脚で取り組める
運用代行に依頼しても、出演や確認など、企業側に担っていただく役割は残ります。代行会社に任せきりにするのではなく、信頼関係を築き、一緒にチャンネルを育てていく姿勢を持てる企業ほど、成果につながりやすいと感じています。
④ 客観的なアドバイスを受け入れられる
自社のことは、自社がいちばんよく知っています。ただ、YouTubeで視聴者にどう届くかは、社内からは見えにくいこともあります。外からの客観的なアドバイスを受け入れ、企画や見せ方を柔軟に変えていける企業は、改善のスピードが上がります。
⑤ 集客だけでなく、情報を届けることに意義を感じて発信できる
成果が出た企業の多くは、集客だけを目的にしていません。自分たちの知識や情報を通して、一人でも多くの人に役立つ話を届けたい。社会貢献の意味も含めて発信を続けられる企業ほど、視聴者からの信頼が積み上がっていきます。クリニックの院長も、「専門家としての知識を必要としている人に届け、一人でも多くの悩みを解決したい」という思いを持って発信を続けてこられました。
執筆者・石橋の視点
ここに挙げた5つに当てはまる企業は、業種を問わず、一律してうまくいっている傾向が強いと感じています。反対に、うまくいきにくいのは、ご要望が多すぎて、こちらからの客観的な提案を活かしきれないケースです。もちろん、企業の思いやこだわりはとても大切です。そのうえで、YouTubeの視聴者にどう届けるかについては、ともに考え、委ねていただける部分があると、成果につながる確率は高まると考えています。
BtoB企業・採用動画としてのYouTube活用について
ここまでの事例は、医療・美容・健康などの分野が中心でした。ここでは、BtoB企業での活用と、採用動画としての活用について、私たちの経験と考えをお伝えします。
BtoB企業のYouTube活用:士業系チャンネルのサポート経験から
NB2がメインで運用を担当したBtoB企業のチャンネルは、現時点ではありません。ただ、士業系のチャンネルに、企画と分析を中心としたサポートとして関わった経験があります。
YouTubeは、BtoC・BtoBを問わず、幅広い層が利用しているサービスです。総務省情報通信政策研究所の調査(2025年12月実施)では、YouTubeの利用率は全年代で81.5%でした。企業の担当者や経営者も、日常的にYouTubeを見ている一人です。
士業のように専門知識を扱う業種は、専門家ご本人が出演し、視聴者の疑問や悩みに答える形の動画と相性がよいと私たちは考えています。チャンネルや会社そのものよりも、「人」に信頼やファンがつくほうが早いという考え方は、BtoBでも変わりません。
採用動画としての活用:集客チャンネルを活かして求人を告知する
採用だけを目的にYouTubeチャンネルを運用する企業は、私たちの支援先では多くありません。採用はあくまで集客の付属として捉え、人を採用したいタイミングで、運用中のチャンネルを通して求人の告知を行う方法をとったことがあります。
集客のために発信している動画には、代表やスタッフの人柄、職場の雰囲気が自然に映ります。普段から動画を見ている視聴者にとっては、会社の雰囲気をすでに知っている状態です。採用専用の動画を一からつくらなくても、集客チャンネルそのものが、会社を知ってもらう採用動画の役割を果たしてくれます。
まとめ:企業YouTubeの成功事例に共通するのは「続けられる考え方」
本記事では、医療・美容・健康などの分野から、企業YouTubeの成功事例を5つご紹介しました。新規立ち上げ、制作会社からの乗り換え、放置チャンネルの作り直し、内製から外注への切り替えと、出発点はさまざまですが、どの事例も中長期で取り組み、成果につなげています。
成功事例から自社の取り組みに活かすために、次の3点を意識してください。
- 自社の目的を決め、再生数だけでなく、予約・リスト・売上など目的に合った数字で成果を見る
- 再生数は早く伸び始めても、事業の成果には数ヶ月から1年程度かかると理解して、続けられる体制をつくる
- 代行会社に依頼する場合は、信頼関係を築き、客観的なアドバイスを受け入れながら二人三脚で取り組む
YouTube運用のご相談は株式会社NB2へ
株式会社NB2では、チャンネルの立ち上げから企画、撮影、編集、投稿設定、分析・改善施策の提案まで、企業のYouTube運用を一貫してサポートしています。ビジネスを伸ばしながら、クライアント様にできるだけ快適に、のびのびとYouTubeに取り組んでいただくことを大切にしています。「自社の業種でも成果が出るか知りたい」「今のチャンネルを立て直したい」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。
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この記事の執筆者
石橋 孝紀(株式会社NB2 YouTubeプロデューサー) YouTube運用代行として5年間、企業系10チャンネル以上の立ち上げ・運用を支援。中長期で成果を積み上げる運用と、クライアントが楽しみながら続けられる関係づくりを大切にしている。
出典・参考