YouTubeマーケティングとは?メリット・デメリットと成果の出し方

「企業としてYouTubeマーケティングに取り組むべきか迷っている」「YouTubeチャンネルを開設したものの、思ったような成果が出ない」。企業のご担当者から、こうしたご相談を数多くいただきます。
YouTubeマーケティングは、正しく取り組めば集客だけでなく、ブランディングや採用まで会社全体を伸ばしていける施策です。一方で、工数も費用もかかり、成果が出るまでには時間が必要です。
本記事では、YouTube運用代行として5年間、業種の異なる10以上の企業チャンネルを支援してきた株式会社NB2が、YouTubeマーケティングの基本からメリット・デメリット、成果を出す進め方までを解説します。新規立ち上げで成果が出たクリニックの支援事例もご紹介しますので、企業YouTubeを始めるかどうかの判断材料にしてください。
この記事でわかること
- YouTubeマーケティングの意味と特徴
- 企業が取り組むメリット・デメリット
- 新規チャンネルの立ち上げから成果につなげたクリニックの支援事例
- 成果を出すための進め方と、内製・外注の判断ポイント
YouTubeマーケティングとは
YouTubeマーケティングとは、企業が自社のYouTubeチャンネルを運用し、動画を発信し続けることで、自社の商品・サービスや会社そのものを知ってもらい、集客や売上、採用などの成果につなげていくマーケティング活動です。
YouTubeマーケティングの意味と企業での位置づけ
YouTubeマーケティングの中心にあるのは、自社チャンネルでの継続的な動画発信です。視聴者の悩みに答える動画や、会社や人の魅力が伝わる動画を積み重ね、見込み顧客との接点を増やしていきます。
YouTubeは、いまや多くの人が日常的に利用するサービスです。総務省情報通信政策研究所が2026年6月に公表した「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(13〜79歳の1,800人を対象に2025年12月に実施)によると、YouTubeの利用率は全年代で81.5%でした。幅広い層が利用しているため、BtoC・BtoBを問わず、見込み顧客と出会える場になっています。
検索やおすすめから、動画が継続的に届く
企業にとってのYouTubeチャンネルは、いわば「自社が持つメディア」です。YouTubeの公式説明によれば、動画はYouTube内の検索結果に加えて、トップページのおすすめや、視聴中の動画のそばに表示される「次の動画」からも視聴者に届けられます。さらにGoogleの公式ドキュメントでは、動画はGoogle検索の通常の検索結果や動画の検索結果、Discover(Googleアプリなどに表示される、おすすめの記事や動画の欄)にも表示されるとされています。
YouTubeの中と外に複数の入り口があるため、自社を知らなかった人にも動画が届き、そこから会社を知ってもらえるのが特徴です。
動画マーケティング・SNSマーケティングとの関係
YouTubeマーケティングは、動画を使ったマーケティング全般である「動画マーケティング」の一つです。動画マーケティングには、InstagramのリールやTikTokといったSNSのショート動画、ホームページに掲載する紹介動画なども含まれます。その中でYouTubeは、長尺動画でじっくり情報を伝えられることと、検索から継続的に見つけてもらえることが強みです。
企業がYouTubeマーケティングに取り組むメリット
YouTubeマーケティングのメリットは、新規顧客の獲得だけではありません。ここでは、私たちが支援の現場で実感しているメリットに加え、一般的によく挙げられるメリットもご紹介します。
新規顧客の獲得・集客
視聴者の悩みに答える動画は、YouTubeやGoogleの検索から継続的に見つけてもらえます。動画を見て「この会社に相談したい」と感じた人が、概要欄のリンクからホームページへ訪れ、問い合わせや予約につながります。
私たちが支援の中で実感しているのが、ホームページへの波及効果です。動画を通して興味を持った方は、すでに会社への関心が高いため、ホームページで複数のページを読み進めたり、じっくり時間をかけて閲覧したりする傾向があります。動画で社名を覚えた方が、社名で直接検索して訪れるケースも増えていきます。
Googleは、検索結果が検索内容と関連しているかを評価するために、匿名化・集計したユーザーの行動データを活用していると公式に説明しています。ただし、滞在時間や回遊そのものが検索順位を押し上げるとは明言していません。そのうえで、私たちの支援先では、YouTubeをきっかけにホームページへの訪問や社名での検索が増え、検索からの自然な流入(オーガニック集客)も伸びるという好循環が生まれたケースがありました。
ブランディングの強化による契約率の上昇
YouTubeでは、代表者の人柄や話し方、仕事への考え方まで伝えられます。「どんな人が対応してくれるのか」がわかると、初回の相談時点ですでに信頼関係ができている状態になり、契約・来院に至る割合が高まりやすくなります。
信頼は、価格の受け止め方にも影響します。私たちが実感しているのは、動画を通して信頼がたまっていると、相場より多少高い価格帯の商品・サービスでも、納得して契約に至るケースが多いということです。海外の調査ではありますが、米国のUserTestingが2025年に米国・英国・オーストラリアの消費者4,000人を対象に行った調査でも、消費者は信頼するブランドに対して平均で25%ほど多く支払ってもよいと回答しています。
そのため、高品質なサービスを高価格帯で提供している企業ほど、YouTubeマーケティングとの相性は特によいと考えています。価格だけで比較されず、指名で選ばれる状態をつくれるからです。
広告と違い、資産として残り再生され続ける
広告は、費用を支払っている間だけ表示され、決められた表示回数や期間が終われば露出も終わります。一方、YouTubeに公開した動画は、削除しない限り残り続け、検索やおすすめを通じて再生され続けます。過去に公開した動画が、今日も新しい見込み顧客に見られている。投稿を重ねるほどチャンネルが会社の資産として積み上がっていく。この性質こそが、企業がYouTubeチャンネルを持つ大きなポイントです。
認知拡大
おすすめや関連動画に表示されることで、これまで自社を知らなかった層にも存在を知ってもらえます。一度見た動画の印象が残っていれば、別の場面で接点を持ったときにも「YouTubeで見たことがある会社」として選ばれやすくなります。
求人・採用への効果
職場の雰囲気や働く人の姿を発信していると、それを見た求職者からの応募が増えたり、入社後のミスマッチが減ったりする効果も期待できます。集客を目的に始めたチャンネルが、結果として採用にも効いてくるケースは少なくありません。
直接集客だけでなく「リスト」も獲得しやすい
YouTubeには、さまざまな興味を持つ視聴者が集まっています。私たちは、その視聴者を大きく「顕在層」と「潜在層」に分けて考えています。
顕在層は、すでに悩みや目的がはっきりしている視聴者です。動画を見てそのまま問い合わせや予約に至る「直接集客」の層と、「もう少し比較・検討したい」という層に主に分かれます。後者は、LINE登録や資料請求、メールマガジンなどを通じてリストとして獲得しておくことで、検討が本格化したタイミングで選んでもらいやすくなります。
潜在層は、まだ自分の悩みやニーズをはっきり自覚していない視聴者です。動画からすぐに問い合わせにつながることは多くありません。しかし、動画で興味を持ってもらい、必要な情報を届けて理解を深めてもらう(教育する)ことで、「検討したい層」へと育て、リストとして獲得することができます。
顕在層・潜在層のどちらからもリストにつなげられるため、YouTubeはリストを比較的獲得しやすい媒体です。実際に弊社の支援では、最大で月4,000件のリストを獲得した実例もあります。
そのほかのメリット:動画の二次利用・データ改善
一般的によく挙げられるメリットとして、次の2つもあります。
1つ目は動画の二次利用です。ホームページへの埋め込み、商談前に見てもらう資料、採用説明会での上映など、YouTube以外の場面でも活用できます。
2つ目はデータに基づく改善です。YouTubeアナリティクスで再生回数や視聴時間、視聴者がどこから来たかなどを確認でき、数字を見ながら企画やタイトルを改善し続けられます。
集客一本ではなく「会社全体を伸ばす」施策
ここまでのメリットを並べると見えてくるのは、YouTubeマーケティングは集客一本の施策ではない、ということです。
執筆者・石橋の視点
私がYouTube運用のメリットとして一番お伝えしたいのは、自社メディアを持つことで会社の「全体」が伸びていくことです。新規集客はもちろん、ブランディングによる契約率の上昇、認知拡大、採用、リストの獲得。どれか一つではなく、それぞれが少しずつ伸びて、会社全体が伸び伸びと成長していくイメージに近いと感じています。
YouTubeマーケティングのデメリット・注意点
大きなメリットがある一方で、始める前に知っておくべきデメリットもあります。運用代行として現場に立ってきた立場から、正直にお伝えします。
他の媒体と比べて圧倒的に工数がかかる
YouTubeは他の媒体と比べて、1本あたりの制作工数が圧倒的にかかります。企画、台本、撮影、編集、サムネイル制作、投稿後の分析と、工程が多いためです。運用代行に依頼したとしても、出演や撮影への立ち会いなど、クライアント様ご自身の時間も必要になります。
費用は決して安くない
自社で内製する場合も、人件費や機材費がかかります。外注する場合は、依頼する業務範囲によって費用が大きく変わります。
特に、撮影や編集といった制作だけを請け負う会社よりも、YouTubeのアルゴリズムを理解したうえで、企画から分析・改善まで戦略的な運用ができる会社のほうが、費用はかなり高くなります。何にお金を払い、何を期待するのかを整理したうえで依頼先を選ぶことが大切です。費用の目安は「YouTube運用代行の費用相場|料金体系・プラン別の目安と内訳」で解説しています。
成果が出るまで中長期の時間がかかる
新しいチャンネルは、YouTube側にも視聴者側にもまだ認知されておらず、動画を積み重ねながら少しずつ評価されていきます。私たちがこれまで支援してきた企業チャンネルの経験から言えば、手応えを感じられるまでに数ヶ月から1年程度は見ておく必要があります。
「すぐに結果が出る」というのは、もっとも多い誤解です。とにかく今すぐ成果が欲しい場合は、広告など、すぐに効果が出やすい別の施策に手を打つべきだと私たちは考えています。
継続すれば必ず効果が出るわけではない
一方で、「続けてさえいれば、いつか必ず成果が出る」というわけでもありません。これは、戦略的に運用する代行会社に依頼した場合でも同じです。
執筆者・石橋の視点
YouTubeを戦略的に攻める運用代行会社に頼んだとしても、100%うまくいくことはないと私は考えています。弊社を含め、運用代行会社の役割は、クライアントのチャンネルが成功する確率をいかに上げられるかを分析し、提案し、ともに伴走することに近いと思っています。たとえ99%まで精度を上げられたとしても、残りの1%でうまくいかないこともあり得ると考えています。だからこそ弊社では、100%にはできなくとも、いかに成功率を上げられるかを追求し、日々研究を重ねて精度を高め続けています。
再生数だけを追うと集客につながらない
再生数だけを意識した運用にも注意が必要です。事業と関係の薄い企画で再生数が伸びても、その視聴者が自社のサービスを必要としている人でなければ、問い合わせや売上にはつながりません。大切なのは、自社の見込み顧客に届いているかどうかです。
工数、費用、成果までの時間。そして、続けるだけでは成果が約束されないこと。これらを理解したうえで、継続力と忍耐力を持って改善を続けられる企業が、着実に成果を積み上げています。
支援事例|複数の運用チャンネルから|クリニックの新規チャンネル立ち上げ事例
NB2では、業種の異なる10以上の企業チャンネルを支援してきました。ここではその中から、新規立ち上げで成果が出た一例として、クリニックの事例をご紹介します。
取り組み前の状況と目的
ご支援を始めた時点で、このクリニックにはYouTubeチャンネルがなく、登録者0人・再生数0回からの新規立ち上げでした。目的は、集客、問い合わせ(予約)の獲得、ブランディングの3つです。
取り組んだ内容
投稿頻度は毎日投稿とし、院長による解説動画、院内の紹介動画、症例解説動画の3種類を軸に発信しました。解説動画で専門性と人柄を、院内紹介で安心感を、症例解説で具体的な治療のイメージを届ける構成です。
1年間の結果
チャンネル開設から1年で、登録者数は0人から3万人に増えました。年間の再生数は844万回で、月平均にすると約70万回再生(年間再生数を12ヶ月で割った値)です。そして、YouTube経由の新規予約は月平均60件で、現在も月ごとに増加が続いています。
成果につながった3つの要因
YouTubeは初期段階から伸びるものではありません。このクリニックが成果を出せた背景には、次の3つの要因がありました。
1つ目は、「中長期的に辛抱強く、かつ楽しんで撮影することが大切」という考え方を、院長と私たちNB2の間で共有できていたことです。YouTubeは中長期で伸びるものだという前提に立っていたため、再生数が伸びない時期も焦らず取り組むことができました。
2つ目は、大義と使命感を持って取り組めていたことです。院長には、「専門家としての知識や情報を、それを必要としている人に届け、一人でも多くの悩みを解決したい」という強い思いがありました。この大義があったからこそ、毎日投稿という高い頻度でも、一本一本の動画に意味を感じながら続けることができました。
3つ目は、信頼関係のもとで、楽しく撮影できる環境をつくれたことです。撮影が「作業」になると、業務的な意識が働き、疲弊しやすくなります。少しでも楽しくのびのびと撮影できる環境づくりを大切にしたことで、長期的に前向きな気持ちで続けることができました。
執筆者・石橋の視点
成果が出た企業に共通しているのは、テクニックよりも「続けられる考え方と環境」があったことです。無理なく、楽しみながら、使命感を持って続けられる状態をつくることが、一番の近道だと感じています。
事例をさらに知りたい方は、「企業YouTube成功事例5選|業種別に見る成果と共通点」もご覧ください。
YouTubeマーケティングで成果を出す進め方
法人としてYouTubeチャンネルを開設する手順そのものは、「企業YouTubeの始め方|法人チャンネル開設から初投稿までの手順」で解説しています。ここでは、成果を出すための進め方を4つのステップで整理します。
① 目的とKPIを決める
新規集客なのか、ブランディングなのか、採用なのか。目的によって、作るべき動画も追いかける数字も変わります。登録者数や再生数だけでなく、「YouTube経由の問い合わせ数」「予約数」「応募数」など、事業の成果に直結する指標もKPIにしましょう。
② 成果が出るまでの期間を見込んでおく
前述のとおり、手応えを感じられるまでには数ヶ月から1年程度かかります。最初の数ヶ月は、再生数よりも「決めた頻度で投稿を続けられているか」を評価の軸にするなど、段階ごとに見るべき指標を変えると、焦らずに続けられます。
③ 無理なく続けられる体制をつくる
誰が企画し、誰が出演し、誰が撮影・編集するのか。本業との兼ね合いも含めて、無理のない役割分担を決めておきましょう。出演者が楽しみながら取り組める雰囲気づくりも、成果を出すための大切な施策です。
④ 内製か外注かを判断する
社内に動画制作の経験者や人員がいて、時間をかけて知見をためたい場合は、内製でも取り組めます。本業が忙しい場合や、企画・分析のノウハウが社内にない場合、早く軌道に乗せたい場合は、外注を検討するとよいでしょう。外注する場合は、費用だけでなく、自社と考え方が合うかどうかも重視してください。詳しくは「YouTube運用は内製と外注どちらがいい?判断基準と併用パターン」をご覧ください。
まとめ:YouTubeマーケティングは会社全体を伸ばす中長期の施策
YouTubeマーケティングは、新規集客だけでなく、契約率の上昇、認知拡大、採用、リストの獲得まで、会社全体を伸ばしていける施策です。公開した動画は資産として残り、再生され続けます。一方で、工数と費用がかかり、成果が出るまでには時間が必要で、続けるだけで必ず成果が出るわけでもありません。
成果を出すために、次の3点を意識してください。
- YouTubeは短期の集客施策ではなく、中長期で会社の資産を育てる取り組みだと理解する
- 再生数だけでなく、見込み顧客に届いているかを軸にKPIを設定する
- 無理なく、楽しみながら続けられる体制をつくり、改善を重ねる
YouTube運用のご相談は株式会社NB2へ
株式会社NB2では、YouTubeチャンネルの立ち上げから企画、撮影、編集、分析まで、企業のYouTube運用を一貫してサポートしています。ビジネスを伸ばしながら、クライアント様にできるだけ快適に、のびのびとYouTubeに取り組んでいただくことを大切にしています。「自社でもYouTubeに取り組むべきか知りたい」「始めたものの伸び悩んでいる」といった段階からでも、お気軽にご相談ください。
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この記事の執筆者
石橋 孝紀(株式会社NB2 YouTubeプロデューサー) YouTube運用代行として5年間、企業系10チャンネル以上の立ち上げ・運用を支援。中長期で成果を積み上げる運用と、クライアントが楽しみながら続けられる関係づくりを大切にしている。
出典・参考